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神戸新聞社説、東電事業計画/国の電力改革と一体的に

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東電事業計画/国の電力改革と一体的に 

 福島第1原発事故の賠償で、政府は東京電力と原子力損害賠償支援機構が提出した特別事業計画を認定した。
 10年間で2兆5400億円を超えるコスト削減の達成を柱とする内容だ。政府の経営・財務調査委員会が実施すべきとした。
 これを受けて、政府は、原子力損害賠償法に基づく政府補償分1200億円を含め、東電に対し総額1兆円を超える支援を行う。
 迅速な賠償を進めるため、計画には東電が守るべき五つの「約束」を記した。被害者の苦情が絶えない複雑な請求書類を11月中に見直す▽賠償をめぐって被害者と紛争になった場合は、原子力損害賠償紛争解決センターの和解仲介案を尊重する‐などである。
 東電には、甚大な事故を起こした企業としての自覚や賠償への真摯(しんし)な姿勢が見られないという批判が多い。こうした被害者らの指摘を受け止め、さらに改善努力を重ねなければならない。
 今回の計画認定によって、本年度内に東電が資金繰りに行き詰まる恐れはほぼなくなった。だが、原発停止に伴う火力発電所の燃料費増大などで、経営は一段と厳しさを増している。2011年9月中間連結決算は、純損失が6272億円の大幅な赤字となった。
 少なくとも1兆1500億円とされる廃炉費をはじめ、膨大な除染費用をどうするかはまだ不透明だ。こうした重要課題は来春に策定される総合的な事業計画などに委ねられる。今後の東電の経営形態をどうするかの検討も欠かせない。
 巨額資産である原発を多く抱えることで報酬を高めようとする電力会社の経営体質は、経営・財務調査委員会の調査などで明らかになっている。
 「原子力ムラ」には、匿名の寄付金など不透明な金の流れが目立つ。そんな経営を高い電気料金と高コスト経営で支えてきたことも否めない。
 高額な発電所建設コストもその一つだが、今回の計画では、原発の代替電源として他の新規事業者の電力を活用することが盛り込まれた。東電が所有する発電設備の売却なども検討課題とした。
 これらは、事業健全化のために、電力自由化の促進が不可欠であることを物語っている。
 東電の経営は、政府のエネルギー改革と一体的に見直すべきである。経営実態調査と問題点の分析を一層進め、発送電分離など電力事業の根本的な改革を国の責任で実行しなければならない。
(2011/11/08 09:57)

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