Facebookの「Like(いいね!)」はEU規制違反か?ドイツのデータ保護機関が指摘
Facebookの「Like(いいね!)」ボタンなどに代表される、同社が提供するソーシャルプラグインはプライバシー保護、データ保護の観点から法規に違反する――そうした指摘をドイツ・シュレスヴィヒ・ホルシュタイン州のデータ保護委員会事務局(ULD)が発表した。現地19日に出された声明文による。
同局局長のWeichert氏によれば、Facebookのいいね!ボタンは、たとえFacebookに登録していないユーザーであってもクリックしたり、表示したりすれば、許可なくそのアクセスデータなどの個人情報が、米Facebookのサーバーに情報として送信され、ユーザーがどこからどのようにそのボタンが設置されたサイトを訪れ、どれぐらいの時間そこに滞在したかといったウェブ解析データが記録されてしまうこと、さらにサイト保有者にもそのデータが返されることが調査の結果分かったという。またfacebook.comや同社提供のプラグインを利用したのち、データは2年間トレースされるとも指摘した。
こうしたプロファイル行為はドイツおよびEU(欧州連合)のデータ保護法に違反している、というのがULDの主張だ。
米Facebook側は主張を否定、Anonymousの主張に通じるところも
Facebook自体はこの規制の管轄外になるため、処罰対象とはならない見込みだが、ドイツ国内のウェブサイトでFacebookの「Like(いいね!)」ボタンを設置しているサイトは違法とみなされることになるとみられる。9月末までに撤去しない場合は、罰金が科されるとの情報もある。
国民のプライバシーについて、非常に厳しい姿勢をとっているのが特徴的なドイツならではの動きであるが、たしかに許可なく個人が特定される形でデータ解析が行われているのであれば、問題視されるのは当然でもある。今回の指摘は先日のAnonymousが発表したFacebookのプライバシー侵害を訴える主張にも通じるところがあり、今後物議を醸す可能性もないとはいえない。
しかし、米Facebookは、こうした指摘および主張を強く否定している。CNNの報道によれば
「『Like(いいね!)』ボタンは、情報共有のあり方を利用者が完全に制御できるため人気を博しているサービスだ」
と反論しているという。
人気のソーシャルネットワークツールに浮上した問題点として、今後動向が注目される。
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