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ソーシャルメディア・リーダー、米フォードが生まれた。

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ソーシャルメディア・リーダー、米フォードが生まれた。

 米自動車大手フォードがソーシャルネットワーク「Google+(グーグルプラス)」に当初から参入した企業のひとつであることは驚くべきことではない。アラン・ムラーリー最高経営責任者(CEO)とソーシャルメディア専門家スコット・モンティ氏の下、フォードはソーシャルメディア界の中で力を発揮してきた。顧客と直接つながる新しい手法で、ブランドの再構築を支えてきた。

 過去10年間、フォードの株価は上昇と下降を多く経験してきている。特に急落したとして知られているのは、2009年のリセッション時の株価だ。しかし同社は回復力を見せ、不良資産救済プログラム(TARP)からの支援も受けず、近年で最大の成功を納めた企業の一つとなった。

 フォードが燃費の良い小型車へ変遷したことは、同社の変革において重要な役割を担ったようだ。しかし顧客の目を引く革新的なソーシャルメディア・キャンペーンも、同社の発展に貢献した。

 モンティ氏はインターナショナル・ビジネス・タイムズに対し、「アラン(・ムラーリーCEO)と幹部会は、共に働きかけ、変革するためのこの概念に乗り出した」と語った。

 モンティ氏は「共に働きかけることと変革は、ソーシャルメディアの中心核だ」と指摘し、人々は何か自分より大きな事柄や、現在起こっている物事の一部になりたがるため「私たちの話を伝える方法を変えなければならないと気づき、ソーシャルメディアをより一層重要なものとみなした」と述べた。

 

 フェイスブック、ツイッター、リンクトイン、そしてグーグルプラス

 フォードは、主要なソーシャルメディア・プラットフォームのすべてで、活発に活動している。米国で主要なSNSは、フェイスブック、ツイッター、リンクトイン、そして今はそれにグーグルプラスも加わった。

 同社はフェイスブック上に78万人以上のファンを持ち、ツイッターでは約7万6,000人のフォロワー、リンクトインでは約5万3,000人のフォロワーを有する。グーグルプラスはテストアカウントの段階だ。

 フォードの主要ライバル社とされてきたゼネラル・モーターズ(GM)は、ソーシャルメディアにおいてはさほど成功を収めていない―少なくとも数値データ上では。GMのフェイスブック上のファンは約28万人、ツイッターのフォロワーは約3万2,000人と、いずれもフォードの半分以下である。一方リンクトインのフォロワーは約5万8,000人で、フォードをわずかに上回っている。

 

 SNSごとに異なる戦略

 フォードは、ソーシャルメディアでの成功の側面には、各プラッフォトームで違った戦略を立てたことがあると考えている。

 モンティ氏やフォード幹部らは、ユーザーがフェイスブック、ツイッター、リンクトイン上で同じ情報を望んでいないと気づいた。顧客は各ウェブサイトに特別な理由をもって訪れるのだ。

 たとえばツイッターでは、情報を迅速に流すことが求められるだろう。他のどこでも得られない情報を客に提供したり、議論を解決する場として活用するのだ。

 フォードは最近、F-150トラックのリコールについて、ソーシャルメディア上での扱いが消極的だという批判を受けた。しかし同社は100万台のトラックのリコール情報を積極的に広めるのではなく、返答や誤った情報の是正のみに努めたのだった。モンティ氏は、ツイッターがデリケートな状況に対処するため、非常に使いやすいと明かした。

 モンティ氏は、「ソーシャルメディアは顧客の不満などさまざまな危機が真っ先に流される場だ。それらにリアルタイムで応えること、数時間や数日、数週間経った後にニュースとして返答しないことが重要だ」と述べ、「何かマイナスのことが起こったとき、我々が毎日積極的に関与していくことがとても重要だ」と強調した。

 

 情報提供だけでなく、フィードバックも

 フォードはまた、顧客に情報を出来るだけ早く伝えるだけでなく、フィードバックも与えたいと考えている。顧客は彼らの意見が聞かれているのか、企業が彼らの意見を気に留めているのか知りたい、少なくとも感じたいと思っている。

 その部分を、フォードはフェイスブックで実現している。

 フォードは、フェイスブックをフォード車のかっこいい写真やビデオを掲載する場とするだけでなく、クラウドソーシングの潜在力としても使ったのだ。

 フォードは、どの車が人々に人気があるか知るためにソーシャルメディアを使いたがる。また、あらかた決定している事項について、人々の意見を反映させたがる傾向も持っている。

 モンティ氏によると、フォードは最近、フェイスブック上で、どのタイプのオーディオサウンドを「フォード・フォーカス」に搭載してほしいかという意見調査を行ったという。フォードのエンジニアが選んだ4つのサウンドオプションから、好きなもの1つをユーザーに選ばせる形だ。

 モンティ氏は、会社がすでに搭載するオーディオサウンドについて強いアイディアを持っているとしても、顧客からのフィードバックは非常に大きいと語る。「我々がすでに予想していたことを、直接確認するようなものだ。これは、我々の推測への現実世界上でのすばらしいテストだ」と述べた。

 

 新SNS、グーグルプラス

 フォードが取り組んでいる最新のソーシャルメディア・プラットフォームが、グーグルプラスだ。同社は真っ先にグーグルプラスに取り組んだ主要企業の一つである。グーグルプラスが発表された当初、グーグルは同SNSは個人のみが利用でき、企業の利用はできないと述べていた。しかしフォードはともかくも参入することを決め、現在グーグルは、フォードや他社と共にグーグルプラスのビジネスページの運営に携わっている。

 グーグルプラスはすぐに、史上最速で発展したソーシャルメディアネットワークとなった。ラウンチから1か月で、世界に約2000万人のユーザーを獲得したという。ユーザー群がグーグルプラスに移動したことを受け、フォードは同社のフェイスブックページの人気を落とすことなく、グーグルプラスのユーザーを楽しませ続ける道を探す必要に駆られた。

 短期間のグーグルプラスのページ運営の中で、モンティ氏はユーザーがより親密な関係を持てるような、何か異なるものを求めていることに気づいたという。「人々が我々に求めるものは、デザイナーやエンジニア、製品開発に携わっている人と親密な関係を結ぶことだ。次世代型マスタングや電気自動車(EV)の影にいる人々から、話を聞きたがっているんだ」とモンティ氏は語った。

 グーグルプラスの出現は、変遷し続けるソーシャルメディア界を際立たせた。主要なソーシャルメディアプラットフォームはすべて、ここ10年の間に登場している。その最前線に何があるのかは、まだ示唆されていない。

 モンティ氏によると、そのカギは素早い対応を続けることと、人々についていくことだ。

 モンティ氏は「我々はヘンリー・フォードの時代から、新しいものを試し続けてきた。デジタルメディアの面においても、同じことを行っていく」と語った。












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