人工光合成が凄い! 未来のエネルギー革命
人工光合成とは?
人工光合成とは、植物が行う自然の光合成を模倣して、二酸化炭素(CO2)と水(H2O)から太陽光の力を利用して、エネルギーや化学原料を生み出す技術です。植物が光合成を通じてデンプンや酸素を作り出すのと同様に、人工光合成では水素や化学原料を作ることを目指しています。この技術は、再生可能エネルギーの中でも特に注目されており、脱炭素社会の実現に向けた一つの大きな鍵となるでしょう。
信州大学が世界最大規模の実証施設を建設!
信州大学は、2025年度に長野県飯田市において、世界最大級の人工光合成の実証施設を整備する計画を発表しました。この施設では、従来の30倍の規模で人工光合成を行い、水素を大量に生産する技術を開発する予定です。飯田市は、日照時間が長く、冬でも雪が少ないため、人工光合成に最適な環境とされています。
水素エネルギーの可能性
水素は、燃焼しても二酸化炭素を排出せず、水しか発生しないクリーンなエネルギーとして注目されています。人工光合成で生成される水素は、燃料電池車や発電所などで活用されることが期待されており、脱炭素社会の実現に向けて大きな一歩となるでしょう。特に信州大学の研究チームは、光触媒を用いて効率的に水を水素と酸素に分解する技術を長年研究してきました。
この技術は、1967年に発見された「本多・藤嶋効果」に基づいており、酸化チタンに光を当てることで水を分解する現象です。今回の信州大学の施設では、これまでよりも大規模に、効率的に水素を生成できることが期待されています。
効率向上とコスト削減への挑戦
人工光合成技術は、コストが高いという課題が残っていますが、信州大学の研究チームは、装置の改良を重ねることで生産効率の向上を目指しています。現在、光エネルギーを水素に変換する効率は約1%ですが、これを4%に引き上げる目標を掲げています。
さらに、水素を作る触媒と酸素を作る触媒を効果的に連携させるために、炭素材料を工夫し、より効率的に水素を生成できるシステムの開発が進められています。このような技術的進化により、将来的には水素のコストも大幅に低減されると考えられています。
日本が世界をリードする人工光合成研究
日本は人工光合成の研究分野で世界をリードしています。その背景には、「本多・藤嶋効果」の発見を始め、多くの日本人研究者がこの分野に取り組んできたことが挙げられます。2023年の調査によると、人工光合成関連の特許出願において、日本は世界で首位に立っています。
この研究分野は、今後のエネルギー革命を担う可能性があり、日本が主導権を握る数少ない技術分野の一つとして、国際的にも注目されています。
オーストラリアでの大規模実証プロジェクト
信州大学の研究は国内に留まらず、海外でも大規模な実証プロジェクトが進行中です。オーストラリアのアデレード大学と連携し、2025年には大規模な人工光合成プラントの稼働を予定しています。オーストラリアは広大な土地と日照時間の長さが特徴で、太陽光を活用したエネルギー生成には非常に適した環境です。
さらに、集光型太陽光を使用して、より少ない光触媒で同じ量の水素を生産する技術が開発されつつあり、効率化とコスト削減に向けた新たなステップが期待されています。
植物の光合成に学ぶ新しい技術
関西学院大学の研究チームは、植物の光合成の仕組みを応用して、人工光合成の効率を向上させる技術の開発に成功しました。植物が光エネルギーを効率的に捕えるための色素を細菌に取り込ませることで、エネルギーの伝達効率を従来の約30%から80%に向上させたのです。この技術は、光触媒と組み合わせることで、水素生成の効率をさらに高める可能性があります。
人工光合成による新たな化学原料の製造
人工光合成技術は、水素の生成だけでなく、CO2と水素を反応させて化学原料を生産する技術にも応用されています。NTTは、半導体の窒化ガリウムを光触媒として用いて、化学原料であるギ酸などを長時間にわたって安定して生産する技術を開発しました。これにより、将来的には、CO2を有用な化学製品に変換する技術がさらに進展するでしょう。
人工光合成の未来
人工光合成はまだ実用化に向けて課題も多く残っていますが、技術の進化は着実に進んでいます。特にコスト面の改善が今後の鍵となるでしょう。現状では、化石燃料由来の水素と比べて人工光合成で作る水素は数倍以上のコストがかかるとされていますが、効率化が進むことで、この差は縮まると予測されています。
日本がリード
人工光合成は、地球規模のエネルギー問題や気候変動対策に大きな貢献を果たす技術です。信州大学が進める世界最大級の実証施設の建設や、国内外での研究プロジェクトが成功すれば、持続可能なエネルギーの未来がより現実味を帯びてくるでしょう。
日本がリードするこの技術は、今後ますます重要な役割を果たし、私たちの生活を支えるエネルギー革命を引き起こすかもしれません。皆さんもぜひ、この未来の技術に注目してみてください!
人工光合成、世界最大級の実証施設 信州大が25年度整備 - 日本経済新聞 https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUF1820J0Y4A710C2000000/
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人工光合成が凄い! 未来のエネルギー革命|pvlabo2020
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