Quantcast
Viewing all articles
Browse latest Browse all 2496

太陽光発電所の保険適用が厳格化。

(まとめ)太陽光発電所の保険適用が厳格化。事例から、予防保全や品質向上、リスク評価サービスの活用など、保険頼みに陥らないO&Mの重要性を解説

袖ヶ浦のメガソーラーに見る、「保険頼み」を乗り越えるO&M
概要
千葉県袖ヶ浦市にある「袖ヶ浦市林発電所」は、1MWの固定式と12kWの2軸追尾型のメガソーラーです。多摩川ホールディングスグループが開発・運営しており、2019年3月に売却された後もO&Mを継続しています。

本記事では、同発電所におけるO&Mの事例を通して、保険頼みに陥らないための視点についてまとめます。

保険頼みのO&Mの課題
近年、太陽光発電所における保険金支払いが激増しており、損害保険サービス各社は太陽光発電所向けの保険の評価内容を改め、無条件に保険が適用される状況ではなくなっています。

袖ヶ浦市林発電所においても、以下のトラブルが発生しており、従来であれば保険で対応できたものが、今後自己責任で対応せざるを得ない状況が増えています。

太陽光パネルの割れ
カバーガラスが割れたまま発電を続けることで、短絡や火災の危険性が高まる
原因によっては、保険ではなくEPCサービス企業に請求する必要性
コネクターの嵌合不良
長期間放置するとコネクターが融解し、断線によるアーク(火花)や火災が発生する可能性
施工不良による可能性が高く、保険が適用されない可能性
PCSの不適切な固定
強風でPCSが揺れ、架台にも衝撃を与えて損傷
小型PCSは架台の柱に4点で固定することが基本だが、2点でしか固定していないケースが多発
地盤対策不足
雨水による水みちで地盤が崩落し、アレイの倒壊や沢への崩落が発生
事前の地盤調査や対策が不十分な場合も
保険は原状復帰までしか適用されないため、新たな対策には自己負担が必要

保険頼みに陥らないための視点
このような状況を踏まえ、多摩川HDでは、設計や施工の瑕疵を含めたリスク評価サービスを手掛ける準備を進めています。

保険頼みのO&Mを乗り越え、長期間の発電事業として事業性を高めるためには、以下の視点が重要です。

予防保全を徹底する
トラブル発生を未然に防ぐために、定期的な点検・整備を行う
異常があれば、迅速に原因を特定し、対応する

設計・施工の品質を向上させる
経験豊富なEPCサービス企業を選択し、品質管理を徹底する
施工後の検査も厳格に行う

リスク評価サービスを活用する
設計・施工段階からリスクを評価し、対策を講じる
必要に応じて、保険に加入する

結論
保険はあくまでもリスク管理の一手段であり、O&Mの全てを保険に頼ることはできません。

予防保全、設計・施工の品質向上、リスク評価サービスの活用など、様々な対策を講じることで、保険頼みに陥らず、長期間の発電事業として事業性を高めることが重要です。


#太陽光発電  #リスク管理 #袖ヶ浦メガソーラー
【日経BPより】袖ヶ浦のメガソーラーに見る、「保険頼み」を乗り越える #O&M https://project.nikkeibp.co.jp/ms/atcl/19/feature/00001/00171/?ST=msb&n_cid=nbptec_tectw


Viewing all articles
Browse latest Browse all 2496

Trending Articles